喜界島冒険記2

ちょっと日が空いたが、喜界島冒険記第2章です。

2回目に訪れたのは2017年6月、前回の2ヶ月後だ。
奄美大島に『奄美民謡大賞』を聴きに行き、その時に喜界島にも伺った。

この時期の喜界島はオオゴマダラがたくさんいた。
オオゴマダラは喜界島以北では見られない、貴重なチョウチョだ。

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この金のクリスマスツリーの飾りみたいなのが、実はオオゴマダラの蛹。
本当に人間が作ったようにキラキラしていて綺麗だった。

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そして、これが幼虫と、脱皮した蛹と、成虫という3形態を同時にうつした貴重な(?)写真!


それから我々チームは、奄美大島に渡り、『奄美民謡大賞』を見た。
全てだ。朝から晩まで!!

これは西洋音楽をやっている我々もまたそうだが、コンクールにすることによって、得られるものも大きいが失われるものも大きいと感じる。
島唄継承が、このような“競技化”することで活発になる一方、本来の土着の島唄のあり方が随分変わって来ているのではないか、とも感じる。
まあ、全ての物事は一長一短、光もあれば影もある。

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これは奄美大島のとあるホテルの裏のビーチ。
綺麗な花を撮った。

その他、ホノホシ海岸や、ハートの形の海を見て、嘉徳なべ加那節の生地、嘉徳集落にも行った。

そして、
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マングローブへ。

おいしい名瀬でおいしいラーメンも食べて、とても満足な旅でした。


ヴォーン・ウィリアムズの交響曲1

これから、全9回に渡って、ヴォーン・ウィリアムズ(以下RVW)の交響曲の魅力を語って行きたい。
それと同時に、録音の聴き比べとおすすめ盤を示したい。

今日は、第1番である《海の交響曲》。
RVW第1作目の交響曲にして最大の規模を誇る作品。
オーケストラと合唱、ソプラノ、バリトンのソリスト、オルガンも入る。
テクストは、ホイットマンの『草の葉』を使っている。

交響曲としては1作目だが、彼のキャリアはすでにそうとうなものがあり、38歳の円熟期の作品でもある。
シベリウスを生涯尊敬していたというRVWだが、この曲にはマーラーの《千人の交響曲》に影響を受けたような後がある。
しかし、こちらの方がわかりやすく、映画音楽っぽい。

第1楽章:全ての海、全ての船の歌
題名が壮大でかっこいいが、曲調もかっこいい。
冒頭のファンファーレから圧倒され、次の力強い合唱のあとの全オーケストラによる和音(オルガンも)が壮大でまたかっこいい。
その後の、波のうねりを表しているのであろう、アルペジオの音型も五音音階で、かっこいい中にも鄙びたイギリスの風情が感じられて、そこがRVWならではといえるだろう。
全曲中もっとも壮大で力強い参加がこの楽章で聴ける。第2テーマの行進曲調の部分もまたかっこいい。

第2楽章:夜、一人海辺にいて
題名がまた、素敵な感じだ。
緩徐楽章。あまり印象に残らないが、暗く幻想的な感じがする。

第3楽章:波
スケルツォの楽章。第1楽章冒頭のファンファーレから始まり、激しい曲調からやがて壮大なイギリス国歌風の行進曲が堂々と鳴り響く。
大海原に旅立つ、大英帝国、と言った感じだ。

第4楽章:冒険者たち
静かに始まり、やがて壮大に盛り上がって行く。
これもまた映画音楽のよう。
基本ゆっくりとしたテンポだが、最後にスコットランド風な?アイリッシュな?かっこいい部分がちょっとある。
ああ言う部分がもっと長くても良いのになあ、とも思ったりする。
最後は消え行くように終わる。
以後RVWの交響曲のほとんどは、静かに終わる。


僕が持っているCDの中だけでなので、もっと良いものが有るかも知れないが・・・

トムソン海
トムソン指揮、ロンドン響
10点満点中10点だ。
海の交響曲では、このCDが圧倒的に良い。
特に第4楽章が一番壮大に聞こえる。
第1楽章も、他の録音では聞き取れない、冒頭のホルンの連打などが聞こえて来て、非常に聞き応えがある。
トムソンの全集は、非常にファンの間で評価が高いが、僕はそこまででも無いと思う。
しかし、この曲に関しては、さすがというしかない。

ハイティンク、ロンドンフィル
これも良い。冒頭のファンファーレだけとれば、この録音ほど煌びやかなものは無い。
あとは、無難な演奏と言う感じだが、悪いところは何も無い。
8点!

ポール・ダニエル、ボーンマス響
NAXOSから出ているボーンマスの全集のもの。
このシリーズは総じて録音がクリアで良く、低音もしっかりしている。パンの振り方も凝ってある。
映画音楽のサントラのごとくで、VRWにはとても合っている気がする。
この曲も、全部のパートが鮮明に聞こえて良い。
壮大さは、トムソンほどは無い。
9点!

ボールト、ロンドンフィル、新盤
オーソドックスな演奏なのだろう。
でも、前の3つに比べて突出するところが無いように感じられた。
もっとちゃんと聴くべきなのだろうか、名盤らしいのだが。
7点。

スラトキン、フィルハーモニア
普通だったが、他のCDでは聞き取れなかった音が入ってたりした。
これはこれで面白い演奏だった。
7点。

アンドリュー・デイヴィス、BBC
録音もあまり良くない、演奏も普通。
4点。


喜界島冒険記1

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昨日、4月15日に、喜界島をテーマにした新曲が完成した。
喜界島が舞台の奄美島唄《塩道長浜節》や、喜界の空気に霊感を受けながら作曲した。
《わらびぬうた》という題名にした。
こちらの言葉に翻訳すれば、「童の唄」という意味。
その曲の詳しい説明は今回は省く。


喜界島を僕が初めて訪れたのは、昨年の4月、ちょうど1年前のことだった。
僕の作曲の師匠の島唄調査の助手として同行した形だ。
地図で見ると、奄美大島のすぐ東側の小さな島だ。
しかし奄美大島とは風土も地質も景色も全く違っている。
奄美大島のように観光っ気が無い・・・。

島は小さくても端から端への移動は車で20分くらいはかかる。
空港がある湾という地域から、北の小野津集落へ向かう。
僕が喜界島で最初に探索した場所だ。

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この島は、サンゴが隆起して出来た島で、海岸はゴツゴツとしていて、とても裸足にはなれない。

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このような石垣は島の至る所に見られる。
阿伝集落には、サンゴによる石垣も。

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子供たちに襲われた。島の妖怪“ケンムン”か??

他にもいろいろなところへ行った。

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残響10秒の地下空間『地下ダム』。

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『百之台公園』からの喜界島遠景。


夜は大体、島のライブハウス『サバニ』に入り浸った。
総じて、島の人たちはとても優しい。
外から来た人には、優しくする、そんな文化が根付いているようだ。
沖縄にも、マレビト信仰とか来訪神の信仰と言ったものがあるが、基本島の人たちは外からの人に優しいのか?
しかし、ここの優しさは、今は完全観光都市となった沖縄とは少し違う、もっと“家族”を迎えてくれるようなものだった。

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小野津の海岸で踊るダンサーJOUさん。

その次は6月にも喜界島を訪れた。
それはまた次の記事で。


三大田園交響曲

最近になって、ベートーヴェンの交響曲《田園》は大傑作だと強く思うようになった。
もちろん前から傑作であることはわかってたが、“大”が付くようになった。

“田園”というテーマの中で、各楽章に完璧な形でそのテーマが織り込まれていて、しかもそれが美しい。

第1楽章〈田園に着いたときの心地よい気持ち〉は、冒頭の5度の響きも牧歌的だし、展開部では第1主題のモチーフをひたすら繰り返すだけで美しい音楽世界が生まれる。
この雰囲気には一生浸れる。

第2楽章〈小川のほとり〉は、小川の流れを表す弦の動きや、小鳥のさえずりが織り込まれ、一層描写的だ。
ベートーヴェンの頭の中に広がる風景は、こんなにも美しいのか。

第3楽章〈農民の楽しい踊り〉も、実にユニークな楽章。村人が酒場で楽しく踊るうちにどんどんテンションが上がってくる様子が目に浮かぶ。三拍子系のスケルツォから二拍子のトリオへのスムーズな移行が非常に斬新!
旋法的な和声にも驚く。

第4楽章〈雷・嵐〉もすごい。形式もなく、ここは完全な情景描写だが、ここで稲妻を表すためにこれまでティンパニが全く使われていないのもすごいと思う。風の音の表し方や、雨が徐々に降り始める様子なども、非常に明快に描かれていてすごい!

第5楽章〈牧歌・感謝の歌〉雨が上がって、雄大な牧歌が流れる。その雄大さがこれ以上なく美しい。

どこをとっても最高の表現で、ここまで音楽ですべてを描き切れる能力を持った人はいないのではないか。


《田園》と名の付く交響曲は20世紀初頭にも。

グラズノフの交響曲第7番。
こちらはロシアの“田園風景”なんだろう。
ボロディン風田園といってもいいかもしれない。

第1楽章は、一番田園っぽい。明らかにベートーヴェンを意識しているが、やはりどこかロシア的な牧歌だ。
少し映画音楽っぽくも聞こえる。

第2楽章は、どちらかというと、教会の音楽のよう。荘厳な雰囲気。

第3楽章は、羊飼いの笛か何かだろうか。ベートーヴェンのスケルツォとは一風変わった、爽やかな風が吹き抜けるような曲。

第4楽章は、ボロディンみたい。これまでの楽章の主題が組み込まれ展開する。土俗的な音楽。

グラズノフは、あまり個性を感じない作曲家だが、ボロディンやチャイコフスキーなどのロシア風音楽を、メンデルスゾーンで薄めたような作風。
チャイコフスキーだと暑苦しすぎる、と思う人にはお勧めかも知れない。


そして、3つめの“田園”。
ヴォーン・ウィリアムズの《田園交響曲》。
これはベートーヴェンが書いたものを想起させない“田園”だ。
イギリスの、緑の濃い田園。
少し物悲しくもあり、過ぎ去った日々を懐かしむようなイメージもある。

第1楽章は、そよ風に揺れる花、うっすらと霧のかかる高原といったかんじ。次々とうつろう旋律が美しい。印象派風。

第2楽章は夕方のよう。遠くからトランペットが聞こえてくる。とても幻想的で物悲しい。

第3楽章は、作曲者が“スローダンス”と形容している。全曲中最も華やかで、吹奏楽のアイリッシュなマーチを思い出す。

第4楽章はまたがらっと雰囲気を変えて、感情的な美しい曲になる。遠くからヴォカリーズが天使の声のように聞こえて、自分もに召されて行くよう。全曲中のクライマックスだろう。美しすぎる。


とにかく“田園”と名の付くものは、どれも情景描写的で愛すべき作品ばかり。
ドイツ、ロシア、イギリスの田園めぐりをした気分になれます。

みなさんも“田園”の魅力に浸ってみてはどう?

日本の“田園”は、棚田の風景か、それとも田園都市線からの住宅街の車窓か。


ロード・オブ・ザ・リングは本当に名作か?

オブザリング

僕は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズが非常に好きだった。
最近、ヴォーン・ウィリアムズをよく聴いていて、急にもう一度見たくなって、オークションで3部作のDVDを落とした。
そして、1作目「旅の仲間」を今日見たのだが、以前見たようなスケールの大きさや映像美などの感動があった一方、
どうしてもいろいろな矛盾点が目についてしまった。
そして、各キャラクターにカリスマ性が足りないように感じてしまった。

そして、本当に名作なのだろうか?と思うに至った。
いや、名作であることには間違いないし、
こういう割と昔のファンタジー小説をもとにした映画に矛盾点とかを指摘するのは非常にナンセンスなんだろうと思うけれども。

映画として、よりも、トールキンの『指輪物語』へのケチなのかも知れない。

まず、簡単に映画『ロードオブザリング』=『指輪物語』の概要を書く。
ワーグナーの『ニーベルングの指輪』や北欧神話に影響を受けた世界観で、非常に壮大なファンタジー。
冥王サウロンが作った世界を支配できる力を持つ指輪があり、それが最も支配よくの無い種族“ホビット”の手に渡って、まあ平和だった。
しかし、指輪にはサウロンの魂が宿っていて、サウロンは蘇った。
養父から指輪を授かった主人公のホビット、フロドは指輪を取り戻そうとする追っ手から逃れつつ、魔法使いのガンダルフや王家の血筋を引くアラルゴンたちと、指輪を葬るべく旅に出る。

そんな話。

ここからはネタバレになるが、僕が今見て、どうしても気になったことをいくつか書く。


  • まず最初のサウロンが倒されるシーン。全てを支配できる“指輪”をつけたサウロンがいとも簡単に倒されるのはなぜ?指輪の魔力とはいったい・・・。

  • ゴラムがあそこまで固執した指輪。ビルボは割と簡単に手放したように見えた。指輪の誘惑ってそんなもん?

  • アイゼンガルドとホビットの村、鉱山などの距離感がよくわからない。全部近くにあるの?ガンダルフがアイゼンガルドに行くときも異様に近く感じたし、ウルクハイの集団がアイゼンガルドから出発して旅の一団に追いつくまでが早すぎる感じがした。

  • ナズグルは弱すぎないか?3作目で、ナズグルの首領は割と驚異的に描かれていたが、今回5人もナズグルがフロドを襲いかかった割に、アラルゴン一人で全員相手できるほど弱かった。

  • 9人の仲間が、鉱山でオークの大群に襲われても、誰一人死なないし、ホビットよりオークが弱い。オークってそんなに弱い種族なの?

  • ウルクハイの首領(ラーツというらしい)がサルマンから「ホビットを生け捕りに、後は全員殺せ」と命令されて出撃したにも関わらず、ホビットを生け捕りにしかしてない。他の人は殺さなくて良かったの?


とか、いろいろと思うことはあったけれども、そんなことを考えながら見るのは野暮なんだろう。

やはり9人いて死ぬのが一人だけっていうのはちょっと不自然な気がするし、いろいろと気になったかな。
あと、意外と魅力的なキャラが少ないことにも気付いた。
フロドがまず好きになれない。
指輪とか関係なく何故かいつも狙われるし、やけにみんなからチヤホヤされる。
そんなにカリスマ性があるのか?
サムは多分ゲイで、フロドのことが好きなので仕方ないか。

結局この映画に、なかなか人間的なキャラがいなくて、共感を誘わないが、
サムは愛せるし、ちょっと悪役のボロミアは人間の弱い部分が一番見えてわりと好きになれた。
あとは、皆賢者過ぎて、ちょっと感情移入しづらいかな、と。

まあよく言われることだけれども、このシリーズの本当に主人公はフロドではなくてサムで、最も好感が持てるのもサムだろう。

僕は1作目よりも、2作目、3作目になってどんどん引き込まれた記憶があるので、大人になった今、2、3作目を見るのが楽しみだ。
どんな感想を持つだろう。


もっと知りたい!フロドのブログ


プロフィール

ボリス

Author:ボリス
血液型:O型
趣味:音楽鑑賞、読書、ツーリング、心霊スポットめぐり
好きな音楽:ベートーヴェン、マーラー、シベリウス、ヴォーン・ウィリアムズ、谷山浩子、マイク・オールドフィールド など


一応作曲家です。
まだまだ先は長いですね。まるで樹海を彷徨っているようです。
ようこそ、僕の森へ。

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